大和証券「出資ニーズがAEC発足に向けて急速に増加」

Name: 工藤裕徳

Age: 48

Company: Daiwa Securities Co.Ltd.

Post: Chief Representative

College: 明治大学

Language: 日本語、英語

大和証券「出資ニーズがAEC発足に向けて急速に増加」

1966年生まれ。大分県出身。
明治大学商学部卒業。2006年筑波大学大学院前期博士課程修了、修士(法学)
2014年筑波大学大学院後期博士課程満単位取得退学。
1989年安田信託銀行(現・みずほ信託銀行)入行、Alico Japanを経て、2002年より大和証券にて勤務。
2013年大和証券バンコク駐在員事務所 所長、現在に至る。

–事業内容を教えてください

弊社は‘駐在事務所’でありますので、株式売買の仲介やデリバティブ商品の販売といったことは直接には行っていません。
その代わり、2013年に当地のタナチャート証券と株式仲介業務に関する業務提携を結びました。タナチャート証券からタイ企業に関するアナリスト・レポートを提供してもらい、海外の機関投資家への営業活動に利用しています。
これ以外に、現在、日本企業のASEANとりわけタイの企業に対する投資ニーズが非常に高まっていますので、出資を受け入れるタイ企業に関する情報収集に努めています。またその逆、すなわちタイ企業の日本あるいは他のASEAN企業への出資ニーズもAEC発足に向けて急速に増加してきていますので、その情報収集も重要なものとなってきています。

 

–タイ人を雇用する難しさはありますか?

日本の労働市場とは大きく異なります。
高度な金融知識を持った人材は希少価値が高いことから、引く手あまたで、引き抜き合戦の様相を呈しています。なかでもインベストメント・バンキング業務、とりわけM&A経験者の賃金が高騰しています。より高額の報酬を求め、ジョブホッピングを行なうことも多く定着させる難しさは常に感じています。

 

–タイ人には、日本式マネジメントが通用しない部分が多いと聞きます

タイに来た当初は、日本的労働慣行を基準にタイ人を見ていたため、労働スタイルの違いに違和感を覚えることが多かったです。現在はタイにはタイの労働スタイルがあることを念頭に置き、マネジメントしています。
弊社にはタイ人スタッフが現在5名おりますが、人間関係は良好ですね。

 

–M&Aは非常に高度な知識を必要としますが

いわゆる「買いニーズ」はたくさんありますが、「売りニーズ」を見つけるのは簡単ではありません。
良質な情報は常に水面下にあり、精確な情報をいち早く入手する必要があります。その為には、前述のように高度な知識と広いネットワークをもった優秀なタイ人スタッフの存在が不可欠なのです。

 

–M&Aと聞くとその中核は重厚長大産業をイメージします

仰るとおり、かつてはM&A市場での中心的存在は重厚長大産業でした。
ですが現在日本から依頼が多いのは、サービス業を中心とした企業群で、ASEAN全体の戦略を見据えて、タイに拠点を置く企業が多くなってきています。一から自前で事業を作り上げていくのではなく、ノウハウや販売網をもつタイ企業との業務・資本提携を検討する企業が増えているのです。今後もこの傾向は続くと思われます。

 

–御社の今後の方向性を教えてください

日本企業は好調な業績により、多くのキャッシュを抱えており投資余力は相当に高まってきています。
また、ROE引き上げの観点からも、ますます海外の有力市場への投資熱は高まっていくでしょう。ASEAN市場が、有力市場のひとつであることには間違いなく、タイは投資先としてこれかも安定的な地位を保つでしょう。当事務所は、その一助になるべく、存在感を出していきたいと思っています。

 

-最後に、アジアに興味がある若者に対してメッセージをお願いします

「TOEICで800点を取ったら、海外に行って働こう」とか「ITの仕事をしたいので、プログラミングを一通りマスターしたら海外に行こう」と考える人も多いですが、そうこうしているうちに年だけは重ねてしまいます。若い人には知識や経験はありませんが、その代わり情熱、バイタリティーそして体力があります。
考えてから、動くのではなく、走りながら考えればいいのではないかと思います。
「人生何とかなる」の一方で、「人生そうあまくはない」のも事実です。
でも自分の情熱・思いを本気に感じるならば、思い切ってアジアで働いてみるものよいのではないでしょうか。

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